2018/12/03

十三回忌追善 実相寺昭雄 特撮ナイト


【日時】2018年12月2日 22:00~7:00
【会場】池袋・新文芸坐

実相寺昭雄監督の十三回忌にあたる今年、追善の特撮オールナイトが開催されました。
上映前のトークゲストとして庵野秀明監督・樋口真嗣監督・樋口尚文監督が登壇しています。トークショーのまとめは後ろの方に載せます。

会場では実相寺昭雄研究会の方が研究をまとめた小冊子や、胸像(!?)、本イベントで上映も行われた同会作品『KAN TOKU 実相寺昭雄』のDVD等を販売されていました。




登壇者によるサイン色紙。




本イベントのプログラム。

『ニッカウヰスキーCM集』はサントリーおよび実相寺昭雄研究会の協力の下上映に至った貴重なもの。
自分は『実相寺昭雄監督作品ウルトラマン』以外は初見でした。特に『シルバー仮面』の第2話と『帝都物語』が印象に残りましたね。

『シルバー仮面』の第2話、ニワトリや樹木にモロに色(ペンキ?チョーク?)を付けちゃってる衝撃。尋問シーンで「信じられん。地球人の言うことなんか……信じられん。」と呟くキルギス星人の不気味さ、最高です。人の罪深さな~~ってなるラストもいい。

『帝都物語』、めっちゃインフィニティ・ウォー。Thanos will return。加藤保憲がとにかくめちゃくちゃ画になってる。実相寺演出とホラー要素の相性が核爆発している感じ。めちゃくちゃ面白いです。
発展への欲望に純粋な人間は、そこからこぼれ落ちた人や土地を置いてどんどん先に進む。その結果として現れる加藤保憲。「人の抱える業」とその化身たる加藤の描き方がいい。




トークショー


【登壇者】庵野秀明監督 樋口真嗣監督 樋口尚文監督

2012年12月に銀座シネパトスで行われた、岡本喜八監督作品トークショーと同じ顔ぶれ。
それにしても樋口尚文監督、めっちゃ身体大きくなりましたね……

以下、雑メモ。

------------------------------------

樋口真嗣監督に話し始めを譲る2人

庵野秀明
僕は観てただけだから。スタッフは君だけだよ。

樋口真嗣
『帝都物語』はガイナックスにいた頃の作品。バブル時代、当時ガイナックスで作ってた作品(おそらくトップ。)があったがパトレイバーにお金が流れて一旦止まり、さらにキャラデザが変更するって話になって士気が下がっていた。
そんなときにスタッフ募集実相寺監督が10年ぶりに撮ると聞いて革命が起きるんじゃないかと思って参加した。
クレジットはコンテ作画。やってる間は何も言われなかった。そもそも実相寺さんは絵コンテいらない人だったし。
実相寺さんはこうじゃなきゃいけない!と自分が思う画を画コンテに落とし込んでいた。人生で一番コンテを切った時期。
『ウルトラマンができるまで』という本の挿絵など、他にもいくつか協力した。
ファン視点での質問にはいつもスルーされて一度も聞けなかった。怒られてばかりだった。

庵野秀明
最初にお会いしたのはTBSのラジオで共演したとき。割と最近。
その時、なぜ移動シーンが多いのかを聞いたが、曲を切らなくていいからと言われ納得した。
あとは『ウルトラQ dark fantasy』の現場と『シルバー假面』の現場でお会いした。
会ったのはこの三回だけ。あとはお葬式。もっと会っておけばよかった。
中堀さんの語る実相寺監督が面白い。今回も登壇してほしかった。

樋口尚文
喫茶店で会ったのが最初。実相寺さんは好き嫌いが激しい方なので心配したがすごくフレンドリーだった。
ルネ・クレールが原点であることにびっくりした記憶がある。現場ではツンデレだった??

樋口真嗣
現場ではすごく機嫌が悪かった。『帝都物語』では上がってきたエロスと情念に溢れた脚本が東宝に丸ごと却下されて。
役に立ってるだけで嬉しかった。仕事をもらえるだけで。
出来上がった映画を観て、音楽の使い方に唸った記憶がある。

庵野秀明
音楽をあまりつけない人だよね。派手な劇伴は使わない。

樋口真嗣
ある時放送を観たら勝手に画面が明るくなってたことがあった。
実相寺監督は、立ち会って阻止しないとダメだ、あいつらロクでもないと言っていた。
プロディーサーが担当者を羽交い締めにして実相寺監督がランプの明るさを下げるなんてことをやっていたみたいだ。
『帝都物語』については全ての問題をお金で解決していた記憶しかない。
日本橋のシーンでセットがない、となったときに日活にセット立てたりした。
マットペインターが必要になって王立の小倉さんを紹介しろと言われたりもした。
フォトリアルの人だから違うんじゃないかと思いつつも紹介したが、結局うまくいかなかった。
あとは『ウルトラQザ・ムービー 星の伝説』を少し手伝った。

樋口尚文
庵野さんの最初の実相寺体験は?

庵野秀明
最初の『ウルトラマン』。スカイドンの回(第34話「空の贈り物」。全39話の中で唯一のコメディ回)を一番覚えている。

樋口真嗣
ガマクジラの回(第14話「真珠貝防衛指令」)なんかもすごいふざけてるよね。

樋口尚文
ガマクジラのアクターに実相寺さんがガッカリしたという話を聞いたことがある。

庵野秀明
スカイドンは真面目にやってるからむしろ笑いになってる。39本の中で実相寺監督の回だけ印象が違った。
円谷作品の中で実相寺さんが監督やってなかったら実相寺監督を知ることはなかった。ATGとかは観ないし。もちろん知ってから観たけど。
ウルトラのあの面白い回が実相寺さんなんだと意識したのは大学の頃。
『怪奇大作戦』は怖すぎてオンエアを観ていない。第2話の蛾がダメだった。再放送は夕方で明るいから観れた。
今日のプログラムだとウルトラマンのオープニングがすき。お金がない状態で面白い作品をつくるということはこういうことかと思った。なんていったって絵だし。
エヴァのTVのOPはあれが元ネタ。謎の円盤UFOというよりはこっち。
あの音楽のタイミングでタイトルや出演が出るのがすき。
実相寺さんが自身の回で編集するとウルトラマンの戦闘カットが短いのを、なんとかありもので作ってる感じがすき。
元気が無くなったらopまでを観る。本編入ったら切る。なので、エヴァのopの本質は謎の円盤UFOではない。