復刊ドットコムによって新編集版として40年ぶりに刊行された実相寺昭雄氏によるエッセイ集。
庵野さんへのインタビューが10ページに渡って掲載されている。聞き手は氷川竜介氏。
2017年9月5日カラーにて、となっているので、かなり最近。
特撮の実相寺監督回だけでなく、『帝都物語』等の実相寺監督作まで幅広く庵野さんがコメントを残している。
『帰ってきたウルトラマン』において実相寺(風)演出を採用するに至ったエピソードも。
インタビュー全体を通して庵野さんが語っているのは、実相寺昭雄氏と庵野さんの「近さ」。
画のクオリティを最大限にするためにあるもので柔軟に対応し、時に「引き算」をする感覚は、ファン目線でも近さを感じるところ。
エヴァへの応用についても。実相寺昭雄監督のアングルと編集、岡本喜八監督のセンスと技術。二人の方法論の掛け合わせがエヴァ。
厳しい制作現場と作品のクオリティの間のバランスをとる方法論として、それらが最適解だと感じているのかな。
最後に、実相寺昭雄氏と自分の監督してのタイプの共通点について。
「どちらかというと一部の好きな人が観たときに、一生残るものをつくりたい」。